常識を超え、業種・職種の垣根を超え、雇用支援・商品開発・自己研鑽の取り組みが急増中
新型コロナウイルスの影響で、多くの業界が打撃を受けている日本社会。「自粛」という言葉を毎日のように耳にし、消極的な傾向が日に日に強まっていきます。果たしてこの状況下で私たちにできるのは「感染対策」だけなのでしょうか?「いや、そんなことはない。苦しいときだからこそお互いに助け合い、この危機を乗り越えていこうじゃないか」。そんな思いを皮切りに立ち上がったのが「SCRUM JAPAN 2020」というプロジェクトです。中小企業経営者や士業の先生方、医療従事者など、社会を牽引する指導者の方々が1000名以上集まって立ち上げられたプラットホームでは、お互いに研鑽を積む勉強会や、業界の垣根を超えた事業支援、情報交換の場として活性化しています。文字通り全員でSCRUMを組んで、お互いの強みを出し合い、この逆境を発展のチャンスに変えていこうという取り組みなのです。
■「助け合う心」は垣根を超えていく
通常では関わることがない業界同士の経営者が交流を取り合い、ともにこの危機を乗り越えていこうと、様々な取り組みがなされています。その事例をいくつかご紹介いたします。
事例①:業界を超えた雇用支援が実現
飲食・観光事業に従事していた企業にて、3月4月の予約が前年対比98%減が起こりました。しかし、「これを理由にこれまで支えてくれた社員の解雇は絶対にしない、なんとか乗り越えていく方法を模索する」というメッセージをコミュニティ内で発信されたところ、全く別の建築事業経営者から、「我が社で一時的に雇用させてください」と返答がありました。社員を守るという思いに動かされ、業界を超えた雇用支援が実現した事例です。
事例②:強みを生かした新商品開発が実現
手ぬぐいを制作・販売事業を行う企業にて、「オリジナルマスクにして販売してほしい」とコミュニティ内で打診があり、商品化が実現。毎日開店と同時に完売し、地元メディアにも取り上げられるなど、事業の新たな可能性を創出した事例です。
事例③:自己研鑽を積むオンライン勉強会が数多く開催
テレワークが推奨され、時間的余裕が生まれた今だからこそ、早朝の時間を活用したオンライン勉強会が数多く主催されています。專門スキルのトレーニングをはじめ、様々な自己研鑽の時間が確保されています。
■プロジェクト発足の背景にある思い
様々な制約条件が課せられていることは、紛れもない事実です。しかし、この逆境の中でもどうにか成長の機会にできないかと模索を続け、業績向上を果たしている企業は存在しています。それは一言で言えば、時代の流れに左右されず、自ら描く未来を「現実化」しようと全力で挑戦している企業なのかもしれません。歴史をたどれば、過去に例を見ない災害や逆境においても、諦めずに挑戦をし続けてきた偉人たちが新たな時代を切り開き続けてきたと言っても過言ではありません。その力は私たち一人ひとりの中に内在していて、いまこそそれを発揮するときではないか。「変えられない社会情勢」を嘆くのではなく、「私たちにできること」を考え、実行していこう。そんな思いが、このプロジェクトの背景にはあります。日本社会にとって少しでも明るい見通しとなれれば幸いです。