アメリカの精神科医ウィリアムグラッサーが提唱する「選択理論心理学」は、親と子・教師と生徒・上司と部下といった誰もが思い悩む重要な人間関係に注目した心理学です。
心理学というと、どこか現実世界での応用が難しそうなイメージをもってしまいますが、選択理論心理学は現実療法というカウンセリング手法から研究が進んだ学問で、医療の現場だけでなく、学校や企業にも応用されています。
「すべての悩みは対人関係の悩みである」とアルフレッド・アドラーが言うように、ウィリアムグラッサーは、家庭・学校・会社といったあらゆる場面での人間関係の悩みを、カウンセリングによって、本人が自分の力で解決する手助けをしてきました。
本書は、そのなかでも学校教育現場での活用について記されています。教師と生徒の関係をどのように構築していくのか、教師は生徒にとってどのような存在であるべきか。少し読み進めると、人間関係のことを学んでいるはずなのに、自分と向き合うことの多さに驚くでしょう。自分も含めた「人」に対する考え方が変わる1冊になるかもしれません。
■目次
1.クォリティスクールの教師はリードマネージメント、決してボスマネージャーではない
2.クォリティスクールの教師はプロである
3.クォリティ(上質)の6条件
4.生徒は教師を知り、教師を好きになる必要がある
5.クォリティスクールの教師は役立つスキルを教える
6.中学校では役立つ情報を教える
7.クォリティの高い学習
8.アカデミックでない技術を教える
9.同時評価
10.クラススタッフを拡大する
11.生徒に選択理論を教える
12.成績をつけないクォリティの高い宿題